【爆発物取締罰則1条あるいは3条にいう「治安妨害目的」や「身体財産加害目的」の判断基準】

2月28日分です。

今日は爆発物取締罰則について調べていたので、その関係の裁判例です。

条文がカタカナで読みにくかったので、商法とともに平仮名の口語体に変更してほしいと思いました。

 

【規範】【東京高判H21.11.25】抜粋

【爆発物取締罰則1条あるいは3条にいう「治安妨害目的」や「身体財産加害目的」の判断基準】

 爆発物取締罰則1条あるいは3条にいう「治安妨害目的」や「身体財産加害目的」の存否を判断する際,その基礎事実の一つである爆発物の爆発力,すなわちその危険性については,同条の罪が抽象的危険犯であることを考えると,純客観的に見るべきものではなくその使用あるいは所持の時点において,一般人に認識可能だった事情及び一般人は認識し得なかったが行為者本人が特に認識していた事情を基礎として,一般人がどのようにその爆発力,危険性を認識するかという点から規範的に捉えるべきものである。

【具体的検討】【東京高判H21.11.25】抜粋

 多数回にわたり爆弾実験を繰り返した上で,その爆発力を認識し,540キログラムもの手製アンホ爆薬を入れて製造されたローリータンク爆弾は,客観的に殉爆性が乏しいものであったとしても,一般人の立場から見れば,相当の威力ある爆発に至る危険性があると捉えるものである

 よって、本件ローリータンク事件について,被告人には治安妨害目的があったといえる。

 

目的認定の話ですが、実行行為性における具体的危険説を彷彿とさせる内容であると感じました。