【ある議案を否決する株主総会等の決議の取消しを請求する訴えの適否】

昔の司法試験で出たような論点ですね…。
この論点で最高裁判決が出たのは、たぶん初めてなんじゃないかな。
5月の新判例WATCHが楽しみ。

最判H28.3.4】【ある議案を否決する株主総会等の決議の取消しを請求する訴えの適否】
 会社法は,会社の組織に関する訴えについての諸規定を置き(同法828条以下),瑕疵のある株主総会等の決議についても,その決議の日から3箇月以内に限って訴えをもって取消しを請求できる旨規定して法律関係の早期安定を図り(同法831条),併せて,当該訴えにおける被告,認容判決の効力が及ぶ者の範囲,判決の効力等も規定している(同法834条から839条まで)。このような規定は,株主総会等の決議によって,新たな法律関係が生ずることを前提とするものである。
 しかるところ,一般に,ある議案を否決する株主総会等の決議によって新たな法律関係が生ずることはないし,当該決議を取り消すことによって新たな法律関係が生ずるものでもないから,ある議案を否決する株主総会等の決議の取消しを請求する訴えは不適法であると解するのが相当である。このことは,当該議案が役員を解任する旨のものであった場合でも異なるものではない。